皮膚の自己再生を促す美容治療としてダーマペンが注目を集めていますが、必ずしもメリットばかりではありません。
本記事では、ダーマペンをやめたほうがいい理由をリスクとデメリットの観点から解説していきます。
1. ダーマペンとは?
ダーマペンは、微細な針を皮膚に刺し、小さな傷をつけることで皮膚の自己再生を促す美容治療の一つです。コラーゲンやエラスチンの生成を活性化させる効果が期待でき、ニキビ跡や毛穴の開き、しわの改善などを目的として利用されています。しかし、こうしたメリットがある一方で、ダーマペンにはさまざまなリスクやデメリットも存在します。
2. ダーマペンをやめたほうがいい主な理由
ダーマペンをやめたほうがいい主な理由は以下のとおりです。
2.1 感染リスクが高い
ダーマペンは皮膚に微細な穴を開けるため、適切な衛生管理がされていないと細菌感染のリスクが高まります。特に自宅でのセルフダーマペンは、適切な消毒が行われずに施術を行うケースが多く、感染症や炎症を引き起こす可能性があります。また、クリニックで施術を受ける場合でも、施術者の技術や使用する器具の衛生状態によってリスクが異なります。そのため、安価なクリニックや施術経験が浅い医師による施術は避けたほうが良いでしょう。
2.2 色素沈着のリスク
肌に強い刺激を与えることで、炎症後色素沈着(PIH)が発生する可能性があります。特に、色素沈着しやすい肌質の人や、紫外線対策をしっかり行わない場合は、ダーマペン後にシミができやすくなることが指摘されています。紫外線は色素沈着を悪化させる要因の一つであるため、施術後は日焼け止めを欠かさずに塗ることが重要です。また、色素沈着を防ぐためにハイドロキノンやビタミンCを併用するケースもありますが、これらのスキンケア成分が肌に合わない場合もあるため注意が必要です。
2.3 赤みや腫れが長引くことがある
ダーマペンの施術後は、一時的に赤みや腫れが発生しますが、肌質によってはそれが長期間続くことがあります。特に敏感肌やアトピー肌の人は炎症が収まらず、むしろ肌トラブルを悪化させることがあります。通常、赤みや腫れは数日以内に引くことが多いですが、肌のバリア機能が低下している場合、回復が遅れたり、かゆみや乾燥などの副作用が発生することもあります。そのため、施術後のアフターケアが非常に重要となり、保湿や抗炎症成分を含むスキンケアの使用が推奨されます。
2.4 期待した効果が得られないことがある
個人差があるため、ダーマペンを受けても期待した効果が得られない場合があります。ニキビ跡やしわが改善しないばかりか、逆に肌の調子が悪化するケースもあります。ダーマペンは継続的な施術が必要なため、1回の施術だけで大きな変化を期待するのは難しく、何度も施術を繰り返してようやく効果を実感できることもあります。しかし、繰り返し施術を受けることで肌に負担がかかり、肌荒れや乾燥が悪化するリスクもあるため、慎重に検討する必要があります。
2.5 高額な費用がかかる
ダーマペンは1回の施術だけでは効果が得られにくく、継続的な施術が必要です。1回あたりの料金は1万円〜3万円程度が一般的であり、長期間続けることでかなりの費用がかかります。さらに、ダーマペン施術後のアフターケアとして、高品質なスキンケア製品や追加の治療を推奨されることも多く、それらの費用も考慮する必要があります。費用対効果を考えると、他の美容治療のほうが結果的にコストを抑えられる場合もあるため、慎重に選択することが重要です。
2.6 セルフダーマペンの危険性
近年、セルフダーマペンを試みる人が増えていますが、これは非常に危険です。適切な技術や衛生管理がないまま自己流で施術を行うと、感染症や色素沈着、傷跡が残るリスクが格段に高まります。また、正しい針の長さや圧力を調整できないため、過度なダメージを与える可能性もあります。さらに、セルフダーマペンは医療機関で使用されるものよりも効果が弱い場合が多く、十分な効果を得ることが難しいという問題もあります。間違った方法で施術を行うと、肌の状態を改善するどころか、さらに悪化させてしまう危険性があるため、専門医の指導を受けることが推奨されます。
3. ダーマペンの代替手段
ダーマペンを検討している方には、より安全で効果的な代替手段もあります。
- レーザー治療:フラクショナルレーザーやピコレーザーなどは、より均一に肌へアプローチし、リスクを抑えつつ肌再生を促します。
- ケミカルピーリング:肌のターンオーバーを促進し、ニキビ跡や毛穴の改善が期待できます。
- スキンケアの見直し:レチノールやビタミンC配合の美容液を使用することで、肌の再生を促すことが可能です。
- エステ施術:LEDライトセラピーやイオン導入など、刺激が少なく肌に優しい施術も有効です。
まとめ
ダーマペンは一部の人には効果がある治療法ですが、リスクが大きいため慎重に検討する必要があります。感染症、色素沈着、長引く炎症などの危険性があるため、適切な専門医の指導のもとで施術を受けることが大切です。また、代替手段としてレーザー治療やスキンケアの見直しを行うことで、安全に美肌を目指すこともできます。自分の肌質や目的に合った最適な方法を選ぶようにしましょう。しっかりと情報を集め、リスクを理解した上で、自分にとって最適な選択をすることが大切です。